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[コメント] 冒険者たち(1967/仏)

映画界に一瞬咲いた儚き一輪の花、レティシア。寂しげな口笛と暗転の変調を繰り返す主題曲の中、心細そうにさまよう。純粋でストレートな強さと、どうにも放っておけない壊れそうなか弱さを併せ持つ。瞬く間に心奪われてしまう。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実働5年でシドニー・ポワチエに娶られ表舞台を去ったジョアンナ・シムカス自身の生き様も、その儚い印象を増幅させる。

リノ・ヴァンチュラアラン・ドロン、年齢もキャラクタも全く異なる2人の男との奇跡のトライアングルが築く自由という名の幸福。これも一瞬輝きを放ち、即座に入り込む不穏に崩壊させられてゆく。

中盤でシムカスが物語から退出してからの長さが余韻を生む。要塞島がまた映画の舞台として奇跡的な魅力を添える。あの空間性、孤絶性。ヴァンチュラの駆使する武器が手投げ弾というのがまた泣かせる。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ゑぎ ダリア[*]

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