[コメント] 囚われの女(1968/仏=伊)
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セックス抜きの前半は怖い。何もしないで、ちょっと離れたところからじっと見るだけ、ってのは怖い。シャッターを切る音が「ちゃんと見てるぞ」というサインを送る。そういうのは怖い。まさに、恐怖に囚われた、という感じがした。
ただ、後半はそんなに怖くなくなっちゃった。一緒に海に遊びに行って、どうやら淋しいだけの普通の男に近いらしい、ということになってからは、オープニングで見せた「得体の知れないなんだかわからないあぶない迫力(アップだったからか?)」がどこかへ行っちゃったよ。なんだかわからない迫力のまま「愛してるわ」と言ってくれたら、「恐怖なんかよりずっと大きい愛の檻に自分と敵を包み込むことで、恐怖の檻を無効化するなんて、愛の力ってすごいね、わけわかんないね」となったかもしれないのに。「恐怖」をわざわざ「寂しいらしい」という共感しやすいものに置き換えて、相手にすり寄っていくなんて、普通じゃん。
普通になってきちゃったのをぶち壊す目的で列車事故を配置したのかもしれないけれど、壊れ方、イマイチ。スタンさん置いてきぼりじゃん。その後の夢の世界もイマイチ。ちょっと長いし。目覚めない方が良かったな。でもそれだとブニュエルのアレになっちゃうか。
つまりどうして4点かというと、前半部分で勝手に期待していたお話しとずれていったので減点という、とてもわがままな理由からです。でも前半部分ですごく期待させてくれたので3点以下はつけられません。
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