[コメント] 悪魔の美しさ(1949/仏=伊)
‘ファウスト’は元来は民話であるが、独人のゲーテが著わすと高邁な識見あふれる、思索に富んだ世界的名作になり、仏人のルネ・クレールが映画化すると、こんな洒落っ気の多いものになる、ということだろう。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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各々の設定で全く違うのが、悪魔の‘格’だ。本では神に挑戦する程の高格な悪魔だが、映画では相当下等な悪魔になっている(共にルシフェルがボスだという点は変わらない)。 そこで感心したのは、ミシェル・シモンの演技で、下等悪魔の下品さ、いやらしさ―歩き方から始まり、食事の仕方、喋り方、女への目つき等々―が見事に表現出来ていた。
ゲーテ好きの私は、身贔屓しないようにと観ていたが、ラストは一瞬意味が分からなかった。DVDを巻き戻し意味が分かって、ガク然とした。ゲーテの高邁な識見、思索は跡形もなく消え失せていたのだ。力が抜けた。
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