[コメント] 違国日記(2024/日)
母娘二代、姉妹、伯母/姪、三十路親友女子、女子高校生たち、そして優しく頼りがいのある男(瀬戸康史/染谷将太)による「女性(のための)気づきと承認の物語」。葬儀から共同生活へと至る導入部のちょっと古臭い表現主義的描写に一瞬引きそうになったのだが・・
怒りと屈辱のせいで感情のリミッターが壊れてしまったようにぶっきら棒なマキオ(新垣結衣)。突然自身を襲った全喪失という事態を無視することで正気を保っているかのようなアサ(早瀬憩)。ふたりの「拒絶」は受け入れがたい事実に抗うための武装という意味でコインの裏表のようだ。
そんな二人の「拒絶」が、互いの意図せざる「気づき=驚き」に触発されながら「承認」へと導かれるさまが描かれる。今まで知らなかった大人や学友たちの世界に触れ屈託なく“素直”に反応するアサ(早瀬)。その素直さにマキオ(新垣)もまた文字どおり目を見開き驚いて素直に“動揺”する。
そんな「拒絶・気づき・承認」の積み重ねによって導かれ“感情の氷解”へと至る過程もまた、当然のごとく素直であざとさがなくとても心地よい。きっと(私は未読なのですが)原作コミックが持っているキャラクターやセリフの魅力(読みどころ)が上手く実写映像化されているのでしょう。役者さんたちが、みんなキラキラ活き活きしているのが、その証だと思います。
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