[コメント] ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985/日)
「でたらめであること」に得々としたさまには若干の虫酸が走る。加藤賢崇もどうも苦手だ。麻生うさぎの『神田川淫乱戦争』にも増して闊達な躍動感に救われている部分は大きい。ミュージカルも麻生パートに限って面白い。麻生にしても洞口依子にしても、自己顕示を捨てた境地で育まれる奇妙さがよいのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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最終盤、唐突に野原で「戦争」が起こる。一般映画として公開するために撮り足されたシーンの一部だと記憶しているが、ここで一気に画面造型のクォリティが跳ね上がる。銃声のチープな音響は(たとえ狙いだとしても)もう少しやりようがありそうなものだが、この空間造型力の凄まじさについては強調してもしすぎることはない。ゴダール遊びに興味を持つことができない私にとって、黒沢清は空間を描く作家だ。
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