[コメント] 国宝(2025/日)
物語として、芸を極めようとする人々を描いているのだろうし、その芸道は見事に描けていると思った。しかし「国宝」といっても人間である、というその「人間」の部分のドラマは正直面白くなかったし見事には描けていなかったと思う。
主人公の喜久雄の人生には3人の女性が現れるが(4人目もいるか)、3時間もあるのに喜久雄と女性たちとの物語は非常に淡白だった。原作を無理無理押し込んだらしいので、かなり「省略」されているのだろうが、高畑充希・見上 愛といった女優たちに無茶振りしても困る。(そしてそれにマジレスする高畑も困る)
題名が「国宝」である意味、必然性はあったのか。2人の人間国宝、小野川万菊(田中 泯)と花井半二郎(三代目/吉沢)は、他の歌舞伎役者たちと何が違ったのか。何を捨てて「国宝」となったのか(或いは「国宝」になって何を失ったのか)。「歌舞伎道」ではあったが、映画「国宝」としては描き切れていなかったと思う。
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