[コメント] 平成狸合戦ぽんぽこ(1994/日)
敗北を描かせれば高畑勲の右に出るものはいないでしょう
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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百鬼夜行シーンが、ダンボのピンクエレファントと比較するとちょっとピンと来ないとか、まあ小アラはありますが。 直接的な表現ではないにせよ、学生運動、特に三里塚闘争のメタファーなんでしょう。こういうことを子供向けアニメという枠の中でやるのは大変だったと思いますが、個人的にはまあ及第点だと思います。そういう視点からしてみると狸がかわいければそれでいいのだ。実際興業的には(高畑アニメには珍しく)成功していますしね。 『火垂るの墓』以降敗北を描くのが好きな監督は、『紅の豚』で宮崎駿がやったような中途半端な表現では満足できなかったのでしょう。 どん底まで狸たちと突き落とします。まわりの人間たちが悪い...ように見せておいて、実は私には「暴力に訴え破滅への道を進む狸たち(=新左翼)」への突き放した視線を感じずにいられません。 そう、火垂るの墓で清太を描いたように。
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