[コメント] プレイタイム(1967/仏)
ただただ呆然と見つめるだけの2時間5分。何がやりたいのか気付くのに2時間20分はかかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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観たのは5分追加のデジタルリマスター《新世紀修復版》。恥ずかしながらジャック・タチ初体験。 初めて観たのが、この「行き着く所までイッちゃった」作品だったのは不幸かもしれない。
興行的に大失敗でタチが破産したらしいが、それもよく分かる。ていうか、これで当たると思う方がどうかしている。 (後に他のタチ作品を観て気付いたが、本作は意図的にタチが前面に出てこないように、むしろタチが世界に、世界がタチに同化していることを狙っているのだろう)
ヌーヴェルバーグ連中が絶賛したらしいが、それもよく分かる。ていうか、これと『地下鉄のザジ』こそがヌーヴェルバーグの本質じゃないか?私は勝手にそう断言したい。
つまらなくも苦痛でもないが、さして面白くもないまま呆然と過ごした2時間5分。 映画館を出て、休日前の夜の新宿の街並と雑踏を見てはたと気付く。
「ああ、これだ」
一瞬の邂逅の先に広がる街の風景。 おそらくジャック・タチは、この殺伐とした都会の中に希望を見出そうとしたのだろう。 いや、彼の中では既に希望の光が見えていたのかもしれない。
そしてその希望の光が世間に伝わりきらぬまま破産したのはなんとも気の毒ではある。
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