[コメント] 舞踏会の手帖(1937/仏)
相手にとっての私
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
全部で6人か、7人でしたっけ、オムニバスで綴るこの映画、一つ一つの物語が、観るものにとって、あなたの場合は、あなたの場合は、って、受け取られるのでは.勿論、私の場合は全部当てはまらないであろうと言えるけれど、男であれ、女であれ、昔好きだった人が、今あの人、どうしてるだろうかと、想わせるのではないでしょうか.
「後悔をしに旅したみたい」 「旅に出ねば過去の亡霊に、一生縛られていましたよ」 と言うことで、彼女は最後の一人にも逢いに行く.昔の恋人に逢いたければ、逢いに行きなさいよ、と言うことなのね.
彼女にとって、どちらかと言えば沈痛な想いを残す再会ばかりであったけれど、でも、同時に彼女にとって、舞踏会の出会いが自分にとって貴重な出来事、貴重な想い出であったことを確かめた旅行でもあったはず.なぜなら、彼女、みんなの人生を狂わせていたのですから.相手にとっての自分の存在が貴重なものであった、重要なものであった、その事実は自分にとっても貴重な出来事であったと言わざるを得ないのです.
舞踏会の出会い(青春の巡り会い)は、男にとっても、女にとっても貴重な出来事.だからこそ、最後の想い出の人は亡くなっていたのだけど、その息子の舞踏会の仕度をしてあげた、と言うことなのでしょう.
付け加えれば、相手にとっての私、それを知るということは、自分自身を知るということなのですね.
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。