コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゴジラvsビオランテ(1989/日)

84年で切って捨てるべきだったのだ。未練たらしく劇場で観てメチャクチャへこんだ。これを観た自分を嫌いになった。
ペンクロフ

以来あんまり思い出さないように記憶にフタをしていたのだが、その傷も癒えて久しいおっさんになってからCSでやってたデジタルリマスター版を再び観た。

これはバブル期に作られたゴジラ映画だ。バブルとゴジラ、いったいこれほど相性の悪いものがこの世にあろうか。公募の原案。当時のおっさんたちは誰もよく判ってなかった生物工学・遺伝子工学を、判ってないくせに物語の中核に据えて恥じぬ厚顔。メチャクチャ反道徳のくせになぜか堂々としている博士。ぼくだってスパイアクションやれるんだという勘違い。84年版の続きなのに沢口靖子の異常な扱い。超能力とか雑に出して雑とも思ってない幼さ。遺伝子工学には負の面もある、と言及するだけのガハハオヤジ。過去を切断しようとする歴史の軽視。斉藤由貴のコンサート。すべてバブル期にバブル眼鏡を通して見たバブル世界観によって頭がおかしくなった日本人のしでかしたことだ。ちょっとした戦争犯罪です。日本人の愚行のひとつとして歴史の教科書に載せるべきだ。

ここにはオレにとっての「これがゴジラである」「ゴジラとはこれである」と認識できる要素が何ひとつなく、黒い穴を2時間見つめていたようなものだ。自分がこれに乗ってしまった(劇場で観た)ダメージは計り知れなかった。この後数年、オレはゴジラを名乗る新作を劇場で観るのをやめた。次に観たのはエメゴジかな。あれもひどかったね…

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ペペロンチーノ Myrath

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。