[コメント] セブン(1995/米)
私が最も恐怖(と親近感)を覚えたのは、グウィネス・パルトロウが自室で夜、独りベッドから目覚めるシーンだった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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私は集合住宅が嫌いだ。赤の他人と同じ屋根の下で一緒に暮らす…など、真っ平ごめんだ。
アパートやマンション…というのは、基本的に他人からの借り物でしかない。マンション購入というのも、他人の作った建物の一室を買うのでしかないから、本質的には借りるのと大差はないと思ってる。
その「借り物」…自分の領土に属さない処…で独り目覚めるパルトロウ。この時彼女が感じたであろう漠然とした恐怖。その不安を分かち合うべきパートナーもいない。初対面の、殆ど赤の他人も同然の老刑事もいない。誰も、いない。
あるいは、これは私の感じ過ぎなのかもしれない。都会で生きていくには適さない、脆弱な神経の感じることなのかもしれない。しかし…ストーリー的にさして重要とも思われないこのシーンをきちんと描いているフィンチャー監督の感性に、私はたまらなく親近感を覚えたものだ。
このシーンを初めて観た時、「あぁ、彼女は(都会の、またはある種の)狂気から逃れることはできないな…」と直感で感じたのを覚えている。
そしてその直感は、不幸にして的中してしまった。
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