コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 上意討ち 拝領妻始末(1967/日)

この作品の司葉子の幽霊のような目に、愛情なんて感じるかなあ。
ちわわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







三船のスケールには圧倒されたし、 演出もまとまりよく。映画の喜びは堪能した。

でも、江戸文化の魅力は武士道なんかにない、と日頃から考えている わたくしにとっては、格好の叩き台。

市と息子の愛情もなんだかうさんくさい。 むしろ、市は殿への怒りが、夫への仮面愛情に変わった かわいそうな女に見えた。「許婚」への愛情もたぶんなかっただろうし・・・ 市は、その姑と同様にうらみがましい女に見えた。

親父が、二人の愛情のため、と興奮するのもなんだかへんで、 むしろ愛情を感じない妻に虐げられてきた男が、息子の嫁に 「オトコ」としての愛情を感じたが、それは抑圧されざるを得ないので、 息子夫婦の愛情への支援に形を変えた、とみる方が自然なのでは?

こういう見方をすると、この映画、ものすごい変態映画に見えてしまう。

そもそも「武士道」って実はそういう抑圧された変態的な道なのではないの?

その「抑圧」があるから、「きり合い」という発散があるわけで。

でもこの見方、たぶん間違っているだろうな・・・

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。