[コメント] 血槍富士(1955/日)
道行きのエピソードで笑いを積み重ねていく構成なんて上手いものだが、時代の空気に迎合的にすぎる感じがね。
武士道の無内容をここまで暴いてしまっていいのかしら?と思わせられる。だが実際には、ここで描かれているのは武士道の愚かしさではなく、むしろ権威主義のそれだ。時代背景を考えれば、10年前まで日本が周囲の被占領民へ行なってきたことへの、謙虚な反省の態度と受け取れる。もっとうがった見方をすると、それでいて観客へは、成敗という力の行使へのカタルシスをきちんと与えた作品であるとも言えるか。
自然体で軽妙、かつ凄みもあわせ持つ、千恵蔵の(おそらく)得意とするキャラクターは、基本的に見てて気持ちよかった。
65/100(08/03/23見)
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