[コメント] シベリア超特急(1996/日)
『シベリア超特急3』クランクイン記念のオールナイトで観た。『シベリア超特急』『シベリア超特急2』を続けて上映するという、実に濃い企画である。「シベ超3」のTシャツを着た水野晴郎監督本人も挨拶に来て、製作開始間近の「シベ超3」について大放談となった。
まずはキャスティングについて、「司葉子、松坂慶子、小林桂樹さんあたりに出ていただきたい」という水野監督。「2」でも淡島千景と寺島しのぶを一緒に使ったせいで大変苦労したと言っているのに、懲りていないのか、あるいは苦労もむしろ楽しみなのか。
水野監督はさらに続けて、プロットのさわりをちょっと話しだしたが、解説がネタバレぎりぎりのところまで踏み込んでしまい、傍らの脚本家の人に「もうそのへんで」と、何度も止められていた。それでも「いや〜喋りたいんだよね〜」とまだ嬉々として話し続ける監督に、「ああ、この人は本当に映画が好きなんだなあ」という思いを抱いた。
この挨拶に続いて観た作品そのものは、皆さんおっしゃる通り、御都合主義・無理ありすぎ・矛盾だらけのトホホな内容(笑えるけれど)としか言えないのだが、それはとりあえず置いといて、これだけ楽しんで映画を作れる監督は、おそらく世の中に水野晴郎ただ一人しかいないのではないだろうか。それはこの作品一つとっても、「劇場版」「アメリカ版」「ハンガリー版」「ダブルマーダー版」「大逆転版」と数々のバージョンが存在することからも明らかだ。シーンを入れ替えてあれこれと楽しんでいるのであろう水野監督の姿は、まるで積み木を並べ変えて遊んでいる純真無垢な子どものようである。
※「こんな作品でも映画が好きだから作っているのだろう」という前提でこのReviewを書いたが、本当にそうなんだよなあ? もしも金儲けのためにやってるんだったら、ためらうことなく★1に変えちゃうぞ。
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