[コメント] 黒い画集 あるサラリーマンの証言(1960/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
アパートの部屋に鍵がかからない、という設定は恐ろしい。鍵がかかると成立しない話なのだ。これは、時代背景として正確なのだろうか。それともプライバシーの罪を暴くという主題に沿った虚構なのだろうか。前者だとすれば、この恐ろしさは、私が現代のプライバシー保護に首まで漬かっているがための感想なのだろう。
プライバシーの尊重は十戒に反する、とジジェクが云ったことがある。本作には密通が、ひいては満天の下に説明できない行動が、犯罪であるという倫理観が背景にある。神は全てをご覧になっている、などという倫理だ。日本人には窮屈で堪らないが、法律というものはこの倫理を基盤にしているものらしい。本作がそれを証明している。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。