★4 | とにかくプロローグが秀逸。その後は陰と陽とのスピーディーな対比の見事さで最後まで飽きさせない。駆け出しの堀川弘通が予算と期間を守れず、やはり黒澤の下に置くのはよくないと優等生の成瀬組へと出向させられたとのエピソードまでが楽しい秀作。 [review] (ナム太郎) | [投票(5)] |
★4 | 時代が日本社会を整然と構築しつつある時代。サラリーマンという職業が定着した時代。この拘束された社会の中にある現実にも似たフィクションに幻惑してしまうのだ。 [review] (chokobo) | [投票(5)] |
★4 | 胃痛が伝わってきそうな小林桂樹の困惑ぶりと、脳天気な原知佐子のハツラツぶり。そして橋本忍脚本の語り口の上手さが光る庶民サスペンスの佳作。喜劇やシリアス劇を問わず、60年代の邦画ではサラリーマンは職業ではなく「身分」として強調される。 [review] (ぽんしゅう) | [投票(4)] |
★4 | 小林桂樹が下着姿で愛人宅で涼むのである。家庭もとても幸せそうなのである。なんと悲惨でうらやましい姿だ!杉山さん、ごめんなさい。 (動物園のクマ) | [投票(2)] |
★4 | 東宝の松本清張映画化第一回作品。本作で味わえる邦画ファン的快感とは橋本忍の前経歴に対する共感などでは全く無く、「社長」シリーズ他でいい加減なそして極平凡な中堅サラリーマンを演じてきた小林桂樹が、突然深刻な事件の渦中へ巻き込まれ [review] (町田) | [投票(2)] |
★4 | 原知佐子が印象的で、女の描けた黒澤映画という趣がある。なんで小林桂樹なんぞの妾になるのか不明だが。 [review] (寒山拾得) | [投票(1)] |
★4 | 主人公が追い詰められていく様は、時に詰将棋、時にオセロを見ているように面白い。 [review] (TOMIMORI) | [投票(1)] |
★4 | 清張を橋本忍が脚色という正に王道的正調推理人間劇であり誰が監督したって面白くなっちまいそうな気がする。ただ一方でどれも同じに見えてきちまうのが辛い。寧ろ主題が今のアンチモラルな時代には最早、風化したと感じてしまうとすれば恐ろしい。 (けにろん) | [投票(1)] |
★4 | 「自分さえよければいい(消極的な意味で)」という人間の心の弱さをズバッと衝いた一編。[Video] (Yasu) | [投票(1)] |
★4 | 火遊びを楽しんでいた男の生活が、とばっちりのような犯罪で崩れ始める過程が細密に描かれ、観客は他人事ですまない恐怖を味わう。1級の和製ノワールであり、小林桂樹、原知佐子、中北千枝子らが凡人演技に徹したからこその達成。住居がリアル。 (ジェリー) | [投票] |
★4 | 人間のウソに人間のウソが復讐した。日常に潜む犯罪の黒い影を浮き彫りにした。橋本の腕力によりもうひとひねりしてミステリー的興趣を盛り上げている。 (斎藤勘解由) | [投票] |
★3 | いかにも頭の中で拵えた、よくできた皮肉の物語。囲いたい女性NO.1との評判をもっぱらに集めるほど健康的にコケティッシュな原知佐子の太股を眺めていたい私としては小林桂樹少し黙ってろと思う。心の声よりアクションを見せろ。という点で収穫は二度に及ぶ小池朝雄の暴力の演出だ。この切れと生々しさは表彰もの。 (3819695) | [投票(3)] |
★3 | 愛人囲う一流会社の課長さん。とは思えぬほど消極的で受動的なキャラクターにイラり。 (G31) | [投票] |
★3 | 快調なテンポで見せる映画だが、驚くような画面は、ほゞない。ラスト近くの西村晃による尋問シーンは、多分、屋内望遠カメラのマルチ撮影で、ちょっと黒澤っぽい。しかし黒澤のような明らかな画面圧縮効果は避けたのだろう、控えめな画面造型なのだ。 [review] (ゑぎ) | [投票] |
★3 | サスペンスというよりは、主人公の人間的な弱さを克明に描いていて、スリリングな物を期待して観た立場からすると肩透かし。所々ユーモアがあるのは悪くないが。['05.2.11京都文化博物館] (直人) | [投票] |