[コメント] 切腹(1962/日)
「切腹」なんて行為は今や褒められたものじゃないと思うけど、これを見てしまうと「究極の日本的様式美」と賛美したくなる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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岩求女と半四郎の関係が次第に明らかになると共に、女々しいだけに見えた岩求女への見方が180度ガラリと変わるプロットのうまさもさることながら、 一騎打ちや大立ちまわりといった時代劇に必ず約束される娯楽性も忘れないうえに、 いつの世にもはびこる権力機構の歪みを弾圧するような社会性も兼ね備えている。(橋本忍の脚本と知って納得。)
そしてなんといっても前半の静から後半の動へと怒涛のような緩急をつけて熱演した仲代達矢については私の筆力では語り尽くせない存在感があった。
また、竹光・・・じゃなかった武満の音楽も雅楽器を使って屋台骨を渋く渋〜く支えていることも触れておきたい。
本作品で武満徹は筑前琵琶と薩摩琵琶という和楽器を使用したそうだが、この作品に自信を得て名作「ノヴェンバー・ステップス」を作っている。
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