[コメント] おとし穴(1962/日)
けっして汚いわけでもなく、けっして美しいわけでもない。ただただ、理屈抜きでおもしろいおもしろ過ぎる。「おもしろ美」これが言い得て妙な表現かも。こんなおとし穴なら一日、いや1時間、1分、1秒間に何度でもはまって落ちて穴底でもがき笑いたい。腹がよじれる笑いではなく、頭がよじれる笑いが脳天にこみあげてくること間違いなし。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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幽霊がありありと画面上で平気で歩き、幽霊が平気で生前と同じように自然に振る舞い、その幽霊がぞくぞくと増えていく。ひとがいない、だだっ広いゴーストタウン、ジャパニーズこてこての荒ら屋のながーーーい連なりに人がワッと現れて営みを続ける映像に鳥肌がゾクゾク。
殺された側が殺した側の考えを知らずに死ぬことの無念さ、普通に起きているだろう、この死んだあとの考えを、観客に疑似体験させた試みの意図が見事的中しているように感じる。さらに、今見たことが自分の姿なのかもしれない、という疑似体験や本当にそうだったといった自己発見を促しているのかもしれないと思うと、実に奥がおもしろい。
死ぬ前は食事をしっかりととっておきたいもんだ。
2003/8/5
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