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[コメント] 白と黒(1963/日)

堀川弘通得意の分野。検察と弁護士がマスコミに翻弄されながらも、数奇な人生を変遷させてゆくさま。黒澤組で鍛え上げられた緻密な演出とシナリオのうまさが目をひく。
chokobo

残念でならないのは、もっと情念にかられて男と女の関係の深い表現が出ていれば傑作と言えたであろう。

この映画でもっともっと強く描いておかなければならないのは、夫(弁護士)と妻の関係と、夫の部下(弁護士)と妻の関係であり、死んだ妻を中心に『羅生門』的な展開にならないと面白みに欠ける。

これが単なるサスペンスドラマとして終わってしまった理由はそこにあって、確かに洗練されたシナリオではあるが、もっと嫉妬とか愛情とか、あるいは男と男の愛とかを盛り込めば凄いことになっていただろう。

しかし黒澤組の門下生達で作った映画だけに、緻密にドラマが計算されているところは評価したい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)牛乳瓶 直人[*]

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