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[コメント] 怪談(1964/日)

今見ると茶番だが、当時としては十分満足できる作品。同じ年の砂の女と互角だね。
chokobo

●怪談について

日本で”怪談”とつく映画は木下恵介監督の『四谷怪談』が最初(間違ってたらすいません)と言われてますが、田中絹代さんが”お岩”を演じてました。

●小林正樹について

その木下監督の『カルメン故郷に帰る』で助監督をしていたのが小林正樹監督です。この作品の頃の小林監督はいずれも骨太の作品を発表しており、出色なのは『切腹』とか『上意討ち』ですね。『人間の条件』はライフワークと言える作品群ですんが、単独作品としてはこれらの作品の出来映えは特に際だっています。

●カンヌ映画祭について

審査員特別賞を受賞しています。但し、この前年に『砂の女』が同じ賞を受賞しており、日本ブーム的な側面もあったかもしれませんが、海外でも高い評価を得ていたことは間違いありません。

●世界とつなぐもの

武満徹先生の音楽が世界との橋渡しとなっていることも間違いない事実です。この頃すでに武満先生は世界のタケミツでしたが、積極的に映画音楽を作曲することで、その映画に対する評価も世界的なものに押し上げていたわけです。最近で近い存在が坂本龍一でしょうか。(ちょっと違うかな)

●本作について

”世にも奇妙な物語”など、昨今安直にテレビなどで怪奇怪談ものが目に留まることで、今さらこの映画を見て驚く人は少ないと思うんですが、小林正樹の一所懸命なカラー映画として歴史の残してあげたい作品です。茶番と言われてもなんと言われても、この作品の持つ風格だけは後世に残してあげたいなあ、と思うわけでござりまする。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)おーい粗茶[*]

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