[コメント] 白い巨塔(1966/日)
田宮二郎はテレビの時ヒゲをはやしていなかったと思いますが。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
テレビシリーズより中途半端な終わり方ではあるが、いかにも映画的でゾクゾクさせられます。
この映画は原作が大変社会的であって、それをドラマ化する困難さを克服している。原作は長く、テレビシリーズでかなり原作に忠実な表現がなされていたが、映画は大きく2つのカテゴリーに分類されている。
ひとつは教授になるための選挙戦だ。これはかなり面白い。金と権力が渦巻く大学病院における内実をかなり具体的に表現する。
もうひとつは裁判劇である。裁判劇は実は大変退屈で、よほど起伏をつけないと飽きてしまうものだが、ここでは橋本忍の脚本が見事で飽きさせない。
このドラマが現代医療にもたらした影響は大変大きいが、病院内部の陰部は今もさほど変わるものではない。情報公開が最も遅れている分野である。
これはあくまでフィクションでありドラマだ。ドラマ性が唯一託されているのが田村高広が扮する”里見”役であろう。ここにだけささやかなヒューマニズムが描写されているものの、見るものはこれがドラマであることをほとんど忘れてしまう。それほどまでに現実に近いドラマということであろう。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。