[コメント] 穴(1960/仏)
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この映画は劇場で観たんですよ。「ジャック・ベッケルの世界」っていう特集上映があったんだね。
実に10年以上たってからの再見。冒頭でいきなり「私の友人ジャック・ベッケルが、1947年にサンテ刑務所での私の体験を映画にしました」というオッサンが出てくる。こんな場面から始まる映画だったかなぁ。えらい唐突なオープニングやなぁ。
サンテ刑務所の8号棟から11号棟へガスパールマルク・ミシェルいう27歳の青年が引っ越してくる。11号棟には4人の怖そうな男たちがいて「脱走の計画」を準備してたんやね。「俺達は脱走を準備しているんだ」とガスパールに打ち明けてから、ストーリーは加速度を増していく。
劇場のお客さん達「この脱走成功するとええなぁ」思ってたんやないかなぁ。コンクリートへの最初の一撃「ガシッ!」ヤスリで鉄格子を「ズリズリ」あの音がサスペンスを生み出してるんやね。だから音楽が使われてないんやなぁ。音楽が必要な『死刑台のエレベーター』みたいな映画もあるけどね。
フランスの刑務所も面白そうな生活やね。窓越しに小包を紐で送るシーンが、映画的だったなぁ。映画的といえば「歯ブラシに結わえた鏡の破片」が効果的な小道具だったね。ラストシーンで「鏡の破片」に「大勢の看守達」が映る場面は心臓に悪いね。ショッキングな演出だ。
今回の新発見は、ガスパールに面会に来た女の子がカトリーヌ・スパークだという事やね。この時15歳ってええなぁ。面会時間えらい短かったけどいいんかね。
また記憶違いをしてました。「大僧正」がガスパールに「かわいそうに」って言ったとずっと思い込んでいた。そしたらビデオでは「情けない奴だ」になってる。劇場で観たとき「かわいそうに」という意味が分からなくて「深い台詞だ」と思っていたんだけど「情けない奴だ」か。
自分が助かろうとして仲間を裏切ったと「大僧正」は思ったんやろうね。フランス語わからんのだけど「かわいそうに」の方がいいような気がするなぁ。
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