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[コメント] 穴(1960/仏)

かわいそうに。(05・6・03)
山本美容室

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この映画は劇場で観たんですよ。「ジャック・ベッケルの世界」っていう特集上映があったんだね。

 実に10年以上たってからの再見。冒頭でいきなり「私の友人ジャック・ベッケルが、1947年にサンテ刑務所での私の体験を映画にしました」というオッサンが出てくる。こんな場面から始まる映画だったかなぁ。えらい唐突なオープニングやなぁ。

 サンテ刑務所の8号棟から11号棟へガスパールマルク・ミシェルいう27歳の青年が引っ越してくる。11号棟には4人の怖そうな男たちがいて「脱走の計画」を準備してたんやね。「俺達は脱走を準備しているんだ」とガスパールに打ち明けてから、ストーリーは加速度を増していく。

 劇場のお客さん達「この脱走成功するとええなぁ」思ってたんやないかなぁ。コンクリートへの最初の一撃「ガシッ!」ヤスリで鉄格子を「ズリズリ」あの音がサスペンスを生み出してるんやね。だから音楽が使われてないんやなぁ。音楽が必要な『死刑台のエレベーター』みたいな映画もあるけどね。

 フランスの刑務所も面白そうな生活やね。窓越しに小包を紐で送るシーンが、映画的だったなぁ。映画的といえば「歯ブラシに結わえた鏡の破片」が効果的な小道具だったね。ラストシーンで「鏡の破片」に「大勢の看守達」が映る場面は心臓に悪いね。ショッキングな演出だ。

今回の新発見は、ガスパールに面会に来た女の子がカトリーヌ・スパークだという事やね。この時15歳ってええなぁ。面会時間えらい短かったけどいいんかね。

 また記憶違いをしてました。「大僧正」がガスパールに「かわいそうに」って言ったとずっと思い込んでいた。そしたらビデオでは「情けない奴だ」になってる。劇場で観たとき「かわいそうに」という意味が分からなくて「深い台詞だ」と思っていたんだけど「情けない奴だ」か。

 自分が助かろうとして仲間を裏切ったと「大僧正」は思ったんやろうね。フランス語わからんのだけど「かわいそうに」の方がいいような気がするなぁ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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