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[コメント] ポネット(1996/仏)

僕らの住む世界っていうのは、
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







残念だけど何をしようと死んだ人とは会えない世界です。でもみんながそれをわかっているから思い残すことのないように人と接し、思いを伝えていこうとするんです。

 昨今流行りの「生き返り系泣かせ映画」だって、みんながそれをわかった上で敢えてやってるから許せるんであって、それがまだ判らない子どもをネタにして、死んだママと会わせちゃうのはやっぱり好きじゃない、ていうか何か「良くない」気がします。

 それにあそこでママが出てきた瞬間、それまで「死と否応なく直面させられてしまう人生」っていう万人の物語であったこの映画が、「死んだママと会えたラッキーな娘」っていうポネット一人の物語に矮小化してしまうんです。

 この歳の子どもに母の死を理解しろとは言いません。だけど死んじゃったお母さんに会えない子たちが観たときに、「うちのお母さんは会いに来てくれなかった」って思うような映画はやっぱりちょっとどこかおかしい。「死んだ人が遠くから見守ってくれている」と信じるっていうのは、死んだ人のためじゃなく、生きていく人のために残された道なんです。どんなに祈ってももう会えないっていうのは、どうしようもないことである以上に大切なことなんです。

 あとポネットの顔はフランス女優らしいエロさに満ち溢れていて良いと思いました。ほんとゴメンなさい。

(評価:★2)

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