[コメント] 男はつらいよ フーテンの寅(1970/日)
全作品中、シネフィルを満足させる「映画」として随一のもの。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭の階段落ちからして物凄く、春川ますみのどんちゃん騒ぎや、吊り橋での決闘、寅が旅館から逃走する際の火鉢の灰の舞い上がり具合、ラストの行く年来る年、船客との口上の唱和まで、喜劇ならではのそこまでやるかというど派手な破綻が鮮やか。森川信のいじり具合も徹底している。さすが森崎。
彼らしい社会派の側面が花沢徳衛の件で炸裂しており、確かにとってつけた感は否めないがこれも含めて森崎らしい。窓の外に垣間見える煙突の炎、仏壇の横に並べられた天皇皇后の御真影、言葉の不自由な花沢。グロテスクな昭和の哀しみを語って強烈である。ここがベストショット。
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