[コメント] 地獄の黙示録(1979/米)
狂気の度合いが激しすぎると、悲惨を通り越して可笑し味が滲み出てきてしまう。
私にとっては、この映画、ブラックコメディー。
「...って、あまでうす。ブラックホーク・ダウンのコメントと一緒じゃん!」 とか気づかれた目ざとい方へ。その通りです。だって、同じコトしか書けない のだもの。
平和のど真ん中にいる我々が、リアルで客観的な視点の戦争映画を見ると、 ギャグに見えてしかたがないモノなんです。プラトーンで観客が泣くのは 何故ですか? チャーリー・シーン演じる新兵の主観で描かれているからです。 ディア・ハンターも同じ。"泣ける"戦争映画はみんな、一個人か一陣営だけ の視点で描かれているんです。
ですが、いざ、突き放した高い視点で戦争を見るとどうでしょう? 馬鹿馬鹿しい 乱チキ騒ぎなんですよ、これが。どう考えたって無意味なコトに、命賭けちゃ ってるのだもの。やってるコトは人殺しなのに、"国家への献身"とか"愛する 人を護るため"とか言っちゃってるのだもの。
"自己犠牲"や"武士道(騎士道)"なんかを美化する教育の中に育った私にとって こういう戦争を客観視することは、ちょっと冷笑的すぎるかもと思ったりもします。 でも、平和な状態を本気で保とうとするならば、必要なのは自己犠牲でも武士道 でもなく、疑り深い皮肉な視点なのではないかな...とか思ってみたりもします。
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