[コメント] 男はつらいよ 寅次郎物語(1987/日)
あゝこれは小津だ。何と云っても和歌の浦のシーンのこの豊かな時間の描き方。高低を上手く活かした画面構成の中、旅館の窓と女中の会話、入江の向こうに小さく見える船。演出力とは時間を描く力だ。この後、子供−秀吉−の大病でプロットを転がすところも初期の小津を想い起こさせる。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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秋吉久美子は確かに漂泊感が上手く出せていないし、関西弁も満足に喋れない。悪く云えば出来損ないのヒロインかも知れない。しかし秀吉が早朝熱が下がった時に喜ぶ彼女の姿はとてつもなく可愛いし、寺の境内で寅と会話するシーンやその夜酔っ払って寅に「男絶ちして待ーってよ。」と云うシーンなど本当に堪らない魅力がある。松村達雄が「お母さん、お尻出しなさい」と云い、「え、お尻...」と受ける彼女の可愛らしさといったら!
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