[コメント] 間諜X27(1931/米)
掛け値なしの大傑作。もうファーストカットからしびれっぱなし。情感たっぷりの長いディゾルブと軟調の画面が抜群の効果を発揮する。全編密度の濃い演出の連続、フォトジェニックな画面の連続だ。そしてときに激しい、まるで叩きつけるような「ドナウ川のさざなみ」のピアノ演奏が胸に迫る。いやあ感動しました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ひさうちみちおの漫画から現れたような初老の紳士−グスタフ・フォン・セイファーティッツがアパートの外で自分の正体を警官に告げているカットとマレーネ・ディートリヒがピアノを弾くカットをディゾルブで繋げる部分には本当に興奮させられた。このような映画的な興奮を喚起するシーンの連続で、それをやすやすと提示しているように見えるから凄いのだ。中でも仮装パーティのシーンとヴィクター・マクラグレンが窓を背にしてサーチライトの光が動く「別れ」のシーンが奇跡的な画面だ。本作のマクラグレンは押し出しもよくメチャクチャかっこいい。そしてラストのディートリッヒ!平然とルージュをひき、ストッキングをなおす。この所作の演出もなんて格好いいんだろう!
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。