[コメント] ブラス!(1996/英=米)
「音楽」というものには正直言って疎いのだけれど、こうした歴史的/社会的な背景を扱う映画というのは好きだ。
単体の映画としてみた場合、佳作だとは思うが、感動作とまではいえないと思う。ストーリー展開にやや抑揚が欠け、わりあいと淡々と進み過ぎる感があるし、音楽の使い方ももっと効果的になり得たような気がする。
しかし、それが許せてしまうのは、炭坑閉鎖という歴史/社会問題をベースにしているからだ。日本も若干違った文脈で経験はあるが、イギリスにおける新自由主義の下、「組合」をたたき潰して行ったサッチャー政権時代を経験した人たちには、よりいっそうの感慨を持って受け止められたのではないだろうかと思う。
こういう雰囲気は、『フル・モンティ』にも出てはいたが、あちらはやはり本人たちの意識の移り変わりに焦点があったのに対して、こちらの方がよりそうした「背景」にフォーカスがあった、という印象を受けた。
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