[コメント] 旅の重さ(1972/日)
例えば父性を求める平成の少女たちは都市化した居住地と真の大都市の狭間を一見楽しげに行き来しつつ沈殿する。70年代の少女は家を出て彷徨うか、小説世界へ未来を見い出し突進した。正と負の差はあれ高橋洋子と秋吉久美子の鮮烈なデビューは飛翔だった。
同じ監督斉藤耕一、撮影坂本典隆コンビ作品でも都市を舞台とした『花心中』(73)がまったく冴えなかったのに比べ、本作や『約束』(72)、『津軽じょんがら節』(73)、『再会』(75)といった地方の自然と四季を背景に借りた作品群は、70年代前半における邦画のエポックとして見ても良いほど異彩を放っていて美しい。
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