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[コメント] ラストエンペラー(1987/英=中国=伊)

この映画は力作なのだが、決定的な欠点が幾つもある。まずヨーロッパ人の視点で美術が描かれている。それが好きな人もいるだろうが、中国人は納得してない筈。 あと、題名は完全に間違ってる。今でも中国には皇帝はいるよ。
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**ネタバレ注意**
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中国資本でこれを撮れる人物がいる訳は無い。だからベルナルド・ベルトルッチの作業は歴史に残る価値がある。あとは観て直ぐに解るが、共産中国の主張を代弁をしてるだけの映画になっている。中国で撮る以上仕方無かったか。中国共産党組織が溥儀にたいしておこなった尋問があんな生易しいものとは到底思えない。一応文化大革命だけはソフトとはいえ描いたのは頑張ったと思うが、中国現代史というのは皇帝、毛沢東による農業革命による餓死がおよそ2千万人とも言われている。これは太平洋戦争で日本が侵攻した時に出た死人より、かなり多い。更には体制維持のための弾圧もかなり激しかった筈でそこいらを全部はしょったのは私に言わせればやってはいけないことだ。誰か映画人でやる人間が出るべきだと言っておく。

溥儀に関しては、人間的にはガンジーや共産主義者みたいな勝手に人間革命な狂信者ではなく、籠の中で育った放浪者ということで観ていて面白い。

甘粕は教授だけど、俳優にやらせようよ。音楽は教授以外ありえないけど。

あとあの外国人教師の描き方はもうワンパターンでギャグとしか思えないね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)Orpheus けにろん[*] 草月 かける

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