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[コメント] Keiko(1979/日)

セミドキュメンタリー調で、録音がいい加減で科白がときどき聞き取れないが、非商業映画っぽくてウケたのか。オバサンふたりの主役とか他も全般にそんなものだ。シンセ多用のフニャフニャした劇伴は洋ピン系。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







前半は痴話喧嘩に至るありふれた男女の話ではなはだ退屈。喫茶店で男物色する平凡なケイコは哀れで、喧嘩するときいきなり関西弁になるのが面白いが、大したことではない。別れて喫茶店、ひとり席に座る彼女をドリーの引きで撮るキャメラは辛気臭く、気の合わない別の男と若草山で写真撮る件は高度成長期の新婚旅行のようだ。

ウダウダと関係結ぶカズヨは、十年後には関西のオバハンになるのが予想される女傑風でいい佇まいをしているが、レズビアンという関係に特に穿った描写がなく、ただ女友達が同居しているだけにしか見えないのが不満。この点後発のLGBT映画は細やかになったものだと思った。私的ベストショットは風呂屋で一緒に入浴するとても肥った中年婦人。

ふたりで借りて木製家具運び込む古民家は当時のアンノン族そのもの。籐椅子の裸像はエマニュエル婦人のパロディなんだろう。ヤマハパッソルも登場して鞍馬方面への冒険もアンノン族風。ケイコが実家で見合いさせられる件はありきたりの展開だが、まだ24までに結婚の時代、問題とすべき夢と現実だったのだろう。一方的なお父さんの演技はレオナルド熊に似ている。

置手紙で別れて結婚式の複雑な表情で終わる。この新郎、冒頭の映画館でケイコの隣に座って痴漢かと思わせる人物と同じ俳優。痴漢と結婚しちまったぜということか。このガラガラの映画館、年末の防火指導に係る京都市の広報映画がかかっているのが時代。そこまでしないとロケ地は京都だと判らない人への配慮なんだろう。

(評価:★2)

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