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[コメント] ディア・ハンター(1978/米)

ベトナム戦争映画としては迷うところだが、これがあの戦争を客観視した初めての映画だと思う。同じ年ハル・アシュビーの『帰郷』という映画も作られ、翌年の『地獄の黙示録』へとつながっていったんだ。
chokobo

戦争が残酷であることなど言うまでもない。しかしながら、それを友情という絆を通じて描くことほど残酷なことはあるまい。

田舎の街の友情とは地域の友情とは、それは友情というよりもほとんど家族だ。お互いの境遇の違いを超越する家族。それはお互いが憎し見合い、そして認め会う関係であって愛情などは勿論存在しない。しかし田舎町の地域性とはそのようなものだ。それはどこの国でも同じことなのかもしれない。

そこに戦争という影が押し寄せる。そして捕虜となり、そこで生きるか死ぬかの思いをして一人生き残る。

再会。そこには残酷な友情が残る。残酷だ。こうなるともともと田舎町の仲間などは残酷な仲なのかもしれない。それが現実なのかもしれない。そのことを映画というドラマで表現されることの辛さと残酷さを覚える。

この優しくも悲しい寂しいメロディーに全ての真実が隠されているのかもしれない。

(評価:★5)

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