[コメント] 普通の人々(1980/米)
心を解放するということ。
初めて見た時、自分の思いを率直に表せないアメリカ人がいるということをこの映画で知った。同時に、精神科医なんてチャンチャラ恥ずかしい存在と感じたが、その後大人になって、精神科医というクッションが、行き詰まりを受け止めて解きほぐしていくということも理解するようになった。
自己愛の強すぎる母親メアリー・タイラー・ムーアのやり場のない悔恨、責任感の強い父親ドナルド・サザーランドのなんとか家族を支えようとする葛藤、繊細な息子ティモシー・ハットンの自己嫌悪と絶望。それぞれのシーンが辛すぎるが、丁寧で愛情深いロバート・レッドフォードのまなざしも良い。
恵まれた環境にいても、心を整えることは誰もが容易にできるわけではなく、問題に向き合うことの難しさを表現した優しくも辛い作品である。
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