[コメント] サラーム・ボンベイ!(1988/英=インド=仏)
インドのケン・ローチ路線映画。感傷は一滴も注入せず、しずかに事実をみつめる。偽善的なアリストクラシーが意味を失う世界。それにしてもこの無情の「もたざる」世界と、浮き足立った「夢見る」先進国との違いって何?
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「夢見る」先進国、こっちでは不可能と知っていても「夢」をみて現実を忘れる。現実を直視していないだけで、住んでいる世界はぜんぜん同じものだったりして。なんてね。
だって、「チャイルドレーバー反対!」とか言ったって、親から捨てられた子どもは現実的に働かなきゃ食べられないんだし、知恵も知識もない子どもからは搾取するだけするのが、先進国から搾取されている後進国のオトナの知恵だろうし…(「搾取」は言い過ぎにしても、不平等はあるだろう)。
なんかもう、多面的にならざるをえない視点。
葬式で、死体が道を練り歩いても誰も振り向かないというシーンが印象的。インドでは人はアッサリ死ぬ。死んだら「ハイ、それま〜で〜ヨ」。なのに、それをたいそうな演出で盛り上げ、いかにも「人生、意味があった」ように「みせる」経済的余裕があるのが、先進国?
夢の16歳、「スウィート・シックスティーン」は逃げ出さない。帰る家なんてないんだもの。与えられた環境で最善の選択をして、立派な娼婦に育つ。
でも。
不思議なさわやかな後味は、見せかけやウソがないからかもしれない。
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