[コメント] イワン雷帝(第一部・第二部)(1946/露)
エイゼンシュテインは『戦艦ポチョムキン』を残したから偉大なのではなく、この『イワン雷帝』を残したから偉大なのだ。なんでしょうねぇ。やっぱり、統率者の全人格的なものが画面に顕現している、と思えてくるんですよね。
どうすれば、このような力強いカットばかりを創造することができるのだろう。逆に、多くの人たちは、どうしてできないのだろう。もう全カットが驚きに満ちた画面。それは、掛け値なしに総てのカットが、なのである。
戴冠式の宮殿内の美術。結婚式のミュージカル。カザン戦のモブシーン。この山上の天幕の美しさ。皇后暗殺の場面も超絶構図ばかりだ。ポーランド宮廷の場面のデザインの奇矯さ。こゝや冒頭の戴冠式シーンが顕著だが、全編に亘って、人物の顔面のスペクタクル(顔、顔、顔)は特記すべきだろう。エンディング近くのパートカラーの、そのオレンジ色の画面で描かれるダンスシーンも狂気的なレベル。紛れもなく世界映画史上の大傑作だ。
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