[コメント] 俺たちに明日はない(1967/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラストは凄く良いですね。買い物に出掛ける辺りから一気に終末へ向かう、その切迫感には息を飲む。詰まらないことを言うなら、ちょっと美化されすぎ。これは「テルマとルイーズ」や「ブッチとサンダンス」にも言えることなんだけど。「スタークウェザーとフューゲイト」ってのもあるが映画にはなってない。何故なら、悪人っぷりに拍車が掛かっているから。
私的に「イージー・ライダー」は好きなんですよ。彼等は走ってるだけだから。「ボーン・トゥー・ビー・・・♪」と唄って走ってセックスしてクスリ食って非難されて死んでいくだけ。実は無害。人を殺すわけでもない。だから、憧れることもできるし、少しは共感することもできる。「ボニーとクライド」は控え目に言っても迷惑だ。強盗はします、人は殺します。いくら不況だからって、社会的閉塞感に打ちのめされたからって、それはいかん。ラストまでイライラしっぱなし。
いずれにせよ、僕らは「俺に明日はある」時代を生きている。どんなに駄目な人間でも、刹那的を気取っていても、所詮はぬるま湯の日常。それなのにこの映画を「駆け抜ける青春」と観ることはできない。ただ、違和感を感じるだけ。しかし、「明日があるさ♪」なんて歌われても開き直りにしか聞こえない昨今、こう思うのも確か。ある意味では、「明日がない」ということはとても素敵で、「頼まなくても朝がくる」ということはとても悲しい。それはそれで、なんか納得いかないんだけどさ。
読んでくれてありがと。
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3月9日、改行を直し、細かいところに手を入れました。内容は変わってないはず。投票をしてくれた人は確認してみてね。
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