……ではあるけれど、キングコングが出てきたところで果たして合点が行ったかどうか。まあゴジラほど大きい奴が現れたら何も「赤イ竹」（このネーミングはどうか。だからといって“レッドバンブー”でも微妙だが）でなくとも世界征服を企んでる組織は全て壊滅させられそうではあるが、キングコングくらいならそれなりに面白くなりそうである。水野久美にデレデレしててもコングなら変ではないとは思う。

　しかし再見してみた時の印象は「あれ、こんなにつまらなかったっけ？」であった。怪獣が出てくる話ではあるけれど、話の軽さと怪獣がしっくり来ないのだ。ゴジラが戦闘機相手に戦ったりするのもみみっちく、「幸せだなあ」をしてみせても無理矢理の感がある。クライマックスにしても核爆発のカウントダウン！という緊迫感が弱いのも、話の評価を下げている一因であろう。『電送人間』以降特撮モノは手掛けていなかった福田純監督が久々に撮った作品は、「軽いタッチの怪獣映画」という新機軸も狙ったのかもしれないが残念ながら褒められないものになってしまった。とはいえその辺の失敗は『怪獣島の決戦　ゴジラの息子』で改善されているので、福田監督がゴジラ映画のメガホンを取ったのは決してマイナスだけではない、と個人的には思っている。

　それにしてもこの話でキングコング映画が作られなかった原因は何なのか？版権元から「つまらん！」とでも言われたのだろうか？