[コメント] 宮本武蔵(1954/日)
もとよりアカデミー賞なんて作品の良し悪しとは全く無関係の賞だが、それにしてもこの映画がアカデミー外国語映画賞を受賞したという事実には首をかしげる。ただ、本シリーズ三部作の中で一番風格があるのは確かだが。
『羅生門』にしても『地獄門』にしても説話・ルックとも外国人受けしそうなエキセントリックさと突出したキャラクター造型があると思う。それに対してこの『宮本武蔵』は面白くなくは無いが傑出した魅力があるとは思えない。
確かに宮本村の寺と大樹の装置としての使い方や稲垣浩らしいちょっと危ういカメラアングルはアイ・チャッチするけれど、それほど目を引くものでもなかろう。三船敏郎の殺陣も大して迫力がない。日本人が見たとき、多分、多くの人が感じるであろう、お通役・八千草薫の健気な可愛らしさにアカデミー会員が心打たれたなんてことも考えにくいじゃないか。
しかしこの八千草薫の魅力は輝くばかりですね。キャラクターとしての現代的な納得性という面では難があるのは判っているけれど、これだけ可愛いと映画のポイントを上げてしまうのも確か。映写室に押し入り、彼女のカットを切り取って持ち帰りたいという欲望に駆られました。
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