本作の年齢設定は凄い！フランキー堺が又八役で、任田順好がその母である本位田のお杉オババ役。しかし、どう見ても母子には見えない。むしろ夫婦。許婚のお通（松坂慶子）も、そりゃ若い高橋英樹＝武蔵に惹かれるわな。　それにしても、今回のオババは強烈。ほとんどストーカー状態。オババが現れるだけで、宮本村が『八墓村』に変わる。　

２時間３０分で、関ヶ原から小次郎との決闘までを済ますのだから、武蔵の成長過程なんて描かれておらず、序盤からムチャ強い。吉岡一門と小次郎との決闘がメインで、宍戸梅幹や宝蔵院の阿厳との戦いは簡単に済まされるのが残念。田宮二郎をはじめ、細川俊之や佐藤允等、ライバル達のキャスティングはなかなか。

途中でなぜ決闘を続けるのかわからなくなる殺人マシーン武蔵。「じゃ、人殺すの止めろよ！」と思わず言いたくなる。沢庵和尚（笠智衆）も言っているが、武蔵って相当の馬鹿者かも。