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[コメント] 眠狂四郎炎情剣(1965/日)

桃割れの姿美千子のカワユいこと。玉緒だの西村晃だの生臭連中の臭気を終盤、彼女の登場で吹き払うという構成なのはよく判るが不満。当然に彼女を全編でフィーチャーしなくてはならない。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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作劇は、ニヒルだった雷蔵が、海賊たちがキリシタンと知って突然肩入れを始める、というのが常道すぎて詰まらない。キリシタンがなぜ海賊なのか判然としないし、だいたい、眠狂四郎とキリシタンでは水と油で無茶である。

撮影は快調。殺陣は歌舞伎のような女形の殺人や、山寺の回廊における高低差を強調した雷蔵切りまくりなど面白く、問答無用のラストも素晴らしい。鴉の舞う絵が描かれている、雷蔵の泊まる寺の障子がとても素敵。しかし私的ベストショットは断然、西村晃の顔アップ全部。半開きにした眼がイカしている。彼の代表作のひとつだろう。

オープニングとラストは円環を描いているが、円環がもうひとつある。雷蔵は最初に玉緒を、最後に姿美千子を自分の定宿である寺に誘う科白だ。玉緒は襲われた訳だが、姿がどうなったのかは描かれない。雷蔵まさか襲うつもりじゃあるまいな、という一抹の懸念が消えず、無駄に気を持たせる収束であった。

(評価:★3)

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