ここまではエヴァに熱狂する一部の精神状態の人達にとっては精神的拠り所ですらあったと思うんですが（当時の盛り上がりぶりをみての感想）、まっとうな人にとってはホントにくだらない、どーしようもないオナニーだったと私も思います。でもそれをむきだしのまま形にしたアニメはなかった。TVシリーズを毎回楽しみにしていた自分としては、そこは評価したいです。だから３点。大人から観たらソラ恐ろしい「魂のルフラン」にのったアスカの復活も、ダメおたくから観れば快感なわけで…まあ自覚がないとこが恐いけど。

『まごころを、君に』で庵野秀明はそういうものに唾したんだけれども、別にそれって人間的成長じゃないのよね、だったらああいう映画にはならないと思うし。結局子供が、大人になれない自分にヤケになってヒステリーおこしてるみたいになっちゃった。

私はそれをくだらないと断罪出来るような人間ではなくて、むしろ庵野秀明が唾したダメおたくだし。庵野秀明自身のダメっぷりの具象化としてのエヴァ映画はとても楽しく観る事が出来ました。こんな個人的な事をこんだけ大掛かりにしちゃう（出来ちゃう）人っていうのもすごい。作品としては貞本義行の漫画版エヴァの方が好きだし、健全な人が描いてるって感じはするけども、これだけの他者をまきこむエネルギーは感じないからなあ。しかもそれで大金がかせげちゃう日本もすごい国だよなあ。