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[コメント] テオレマ(1968/伊)

筋書きは図式的ながら、表現が恐ろしく珍妙で突飛。性と聖が表裏一体ってとこからして、判断に迷う。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とあるブルジョア一家の崩壊劇。青年のありがたいご神託(セックス)を通してそれぞれの中の何かが影響していくワケだが、何しろ語り口が珍妙極まりない。「何故足を担ぐ?」「何故メジャーで測る?」「何故握りこぶしを開こうとしない?」「何故キャンバスの上に小便する?」「何故宙に浮く?」「何故でんぐり返しする?」「何故雑草を食べる?」「何故そこで脱ぐ?」等等等・・・・・。何を表現しようとしているのかは薄々分かりそうになりつつも、普通だったらそんな表現方法は選ばないだろって(笑)。おかげで何が飛び出してくるか分からないので、気が抜けなくて参った。

珍妙な描写は置いといて、とりあえずそれぞれがご神託によって何を崩壊させられたか、個人的な解釈(あくまで推測)。オヤジ→所有欲。奥さん→羞恥心、プライド。息子→常識的な既成概念。娘→異性を拒んだり、軽くファザコンがかってたりするのをみると、おそらく幻想や期待、理想みたいなもの(これはちょっと自信がない)。そんでもって今までのブルジョア生活のよりどころを失って、空虚な荒野をさまようことになるんですね。要はブルジョアの俗物根性を壊したかったのか?

家政婦はブルジョア階級ではないので、ちょっと異質。唯一素朴な信仰に向かっていったように思える。それからあの郵便配達もかなり奇怪・・・つーかナニモノ??

(評価:★5)

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