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[コメント] 東への道(1920/米)

夜通し赤子を看病するリリアン・ギッシュの絶望の強度に圧倒された。このワンシーンだけで★5つ。リリアンの演技とクライマックス以外はユルい作品だが、元祖昼メロとして観れば興味深い。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
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流転の女、過度に道徳的な父、憎たらしい悪役、見守る男、そして物語の進行を促すオッチョコチョイの脇役たち(フランキー堺クシャおじさんを足して2で割ったような男がえらく印象的)。本作は今日の韓流ドラマまで脈々と続く昼メロの要素が、すでにして勢ぞろいしている。コメントの場面に、頭から卵を落とされる男のギャグが続く辺り、よく云えば単線で物語を紡ごうとしない方針がみえる訳で、この話法もまた、映画より長尺な連続もののテレビドラマが好むところだ。

そして何より顔のアップ。和田勉はテレビドラマで重要なのは「顔と音楽だ」と語ったが、本作のリリアン・ギッシュの顔の演技は、サイレントだから許されるデフォルメも含めて、これ以上望めない崇高なものだと思う。逆に云えば、リリアンなかりせば本作を傑作と呼べたかどうか、微妙だろう。

(評価:★5)

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