[コメント] デビッド・クローネンバーグのシーバース(1975/カナダ)
辿り着くのは「やっぱりロメロは偉大だ」ということ。しかし、この作品も侮るなかれ。無味乾燥とした人工島を舞台に人々が蝕まれていく姿は、現代を映すにはあまりにもピンポイント。30年前の作品でこれなのだから、凄いの一言に尽きる
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
その良い例が、この作品だろう。
「寄生虫(クリーチャー)」がいなければ、感染に次ぐ感染なわけで、これは一種のゾンビ映画だと言っても過言ではない。ふらふらと歩く感染者、内臓を貪る感染者など見応えは抜群。面白かったのは、ゾンビとは少し異なり、感染しても感染者によって人間としての一定の意識を留めている点にあるかもしれない。ただ、そこで性欲や性癖(?)などに変化が生じていたところは興味深いところ。
あのマンション(ホテルに近い)の無味乾燥で寒々しい造りが恐怖を煽ってくる。部屋、洗濯室、ボイラー室、地下駐車場などなど余すところ無くお届け。もう少し寄生虫の視点で、こいつらがどこでどのように動き回っていたのか細かく描いて欲しかったというところもあるかな。
内臓の感じや、動く皮膚の感じはまさしくクローネンバーグ。それをこの目に焼き付けることが出来ただけでも嬉しい限りね。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。