[コメント] トリコロール/白の愛(1994/仏=ポーランド)
「平等」を夢見る、名字と名前が同じ男の話。(レビューはラストに言及)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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結婚式のイメージ、男はあのときのような、妻との平等な関係を望んでいた。そのイメージの復元のため男はしゃかりきに働き策をめぐらす。しかし、収容所の窓の向こう側にいる女の姿、男は結局窓の遠くから彼女に憧れている存在。男の平等への幻想はそのとき崩れたのではないか。フランスで金や名誉、性欲などすべてを失い、挙句の果てには犯罪者扱いされた男。ポーランドで一人ぼっちになり、犯罪の容疑をかけられ収容される女。皮肉な形で平等は実現していた。
ジュリー・デルピー 、『青の愛』や『赤の愛』のヒロインと同列に扱われているわりには、あまりにも受動的な存在でしかないことが不満だった(もっとも彼女の役どころはいつもそんな感じだが…)。はじめは『青の愛』に比べあまりにもスケールが小さくなった感じがしていたが、どん底まで突き落とされたときに出会った同郷の男との友情など、ベタながらも人間味あふれる描写には憎みきれない部分があり、観てて心地よかった。(★3.5)
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