[コメント] 風と共に散る(1956/米)
メロドラマの女の演技を知りたいのならこの映画を見よ。男に背を向けて立つ女。水辺に立つ女。鏡の前で梳る女。様式美に満ちたポージングの連打に我々はなすすべもない。もの問いたげな目線の絢爛たる交錯というメロドラマの基本条件も見事に整っている。
と同時に、この映画はアクションシーンが実に良い。冒頭のスポーツカーの爆走シーンに瞠目した人は私だけではないはずだ。酔っ払って車から降りたロバート・スタックをローポジでキャメラがとらえたとき、傾斜した背景の醸す不安定さの演出や、石油王の老人の死をわざわざ階段での転落死に仕立てる演出を通じて、ダグラス・サークがアクション映画イディオムを完璧に知り尽くしていることを疑念なく知ることが出来る。
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