[コメント] プライベート・ライアン(1998/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画の最大のウリとなっていたのが、冒頭の「リアル」な上陸シーン。確かに目を見張る出来で、本当に痛々しくて、めちゃくちゃに怖くて、映画を通じて戦争の残酷さを伝えようという明確な意図が感じられるパワフルかつリベラルなシーンだった。だが、その後が……。いざ上陸してしまうと、途端に戦争に対するスタンスが「こっち側」になってしまう。
廃墟に身を隠している一団。衝撃で壁が崩れると、その向こうには敵が潜んでいた。ビックリ!
瀕死のハンクス兵士。弱々しくピストルで敵の戦車に発砲するも、戦車はビクともせずにズンズン進んでくる。それでもあきらめないハンクス兵士。息も絶え絶えで撃ち続けていると、なんと戦車が大・爆・発!オーゴッド!奇跡が起きた!?すると空のかなたから味方のヒコーキがBOOOOOOOOON!!!ワオ!グッジョブだぜマイ・スイート・アメリカ!!
はぁあーなんて面白いシーンなんだろう。ドキドキワクワクしちゃった。
っていうか、ダメだろワクワクさせちゃ。そんなに「映画的」に撮っちゃってどーすんの。キッズ向けの冒険映画じゃないんでしょ?最初に長々時間かけてああいうシーンを撮ったのはそーゆう意味じゃねの?
結局、そんな戦争を描いてしまったおかげで冒頭シーンの価値も急落。単なる「最初の上陸ステージでは苦戦したけど、みんなで力を合わせて憎むべき敵からアイツを救い出したぜ」ってだけのオハナシになっちゃった。
スーパーマリオかよ。
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