[コメント] ダンシング・ヒーロー(1992/豪)
しゃ〜〜〜〜〜〜っ(床滑り音)。
俳優上がりの監督、バズ・ラーマンの映画には、たとえば「ガラスの仮面」なんかでよく使われる、一瞬の舞台効果(こつ、と靴を鳴らすと場がピリリと締まるとか)が、実写で、しかも限りなく「舞台」的に、要所要所にちりばめられている。
そしてすばらしい選曲のセンス! これは「あの頃あの歌を喜んで口ずさんでいた私がはずかしい」思いなくしては聞けない選曲。そう、私たちは「クサイ」ものが好きだった。そして、クサイ私を笑える私たちが私は好きよ。
社交ダンスという不思議な世界に住む、汗臭くダサイ男たち。彼らが異様にかっこよくみえてくるのは、舞台効果が鍵ではないか。舞台効果が光るから、使い古された「定番」プロットと設定のダサさが一瞬にして「かっこよさ」に変わる。いわば一瞬の化学反応。
赤いカーテンの向こう、ストーリーの中に入っていくことで、主人公と一緒に味わえる高揚感。タイムリミットに向けた助走と、起承転結。
やっぱ、たまりません。
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