[コメント] まごころを君に(1968/米)
確かに中盤に実験映像があり「えっ?」があったが悪くは無く全然良かった。単純でありながら実験映像もなかなか新鮮だったと思うので未見の方は見る価値ありの秀作映画。あと、原作は原作、映画は映画なので原作とは分離して見よう!
健常者を資本家とし障害者を労働者とすると見えない部分が見えてくるのがあった。勝手に「巧いなぁ〜」と感じた。
それは、知識を持つ前に生じる知識の資産効果で達成されるであろう結果の想像(例:夢、希望)と、持った時点で生まれた知識の資産効果(例:よろこび、達成感)と、持つ事でしか生まれない知識の逆資産効果(例:本質を知る、暗部を知る)が巧く表現されている点。それつまり労働者が資本家になる事で生まれる貨幣に対する見方の逆転。そしてそれ自体は幻に限りなく近い無意味ではないが価値がないという事と自覚した人間の行き着く先を監督なりの考えでラストに表現したんだと思う。
《幻影》
幻影からの逃亡の場面の「幻影」は過去の自分の姿ではなく過去の自分を研究する人間の象徴であり自分をダシに出世しようとする人間の欲から生まれた産物だと思う。それは自分が知識を得る事による知識の逆資産効果から生成された映像かもしれない。あの学会での発表でスクリーンに投影された自分のテストさせられている過去の映像を見る事による確信で自分の運命を定められたのだと思ったその瞬間にビックバンみたいに生じたのでは?私はきっとそうだと思う。じゃないと、そのままの表現だと安易だ。
2002,4,16
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