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[コメント] ベティ・ブルー/愛と激情の日々(1986/仏)

まさに"愛と激情の日々"・・・
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 冒頭のシーンから衝撃。激しく体を絡めるジーグとベティ。壁にはモナリザが笑う。そこから二人の"愛と激情の日々"がスタート。ベティという19歳の少女の行動はやることなすこと全てはちゃめちゃだ。ヒステリックすぎるくらいなのだが、後半の展開を考えるとここまで激しく描写したのも納得だ。演じるベアトリス・ダルが好演してる。そのイカれたベティとは対称的に落ち着いているジーグ。そんな二人の関係がおもしろい。家をあっさりと燃やしてからの展開にはかなり笑えた。体を張ったドタバタギャグが死ぬほどくだらないんだけど、笑いを誘う。ジーグを演じるジャン=ユーグ・アングラードのキャラクターが良い。なので、途中までドタバタコメディとして笑い飛ばして見ていた。

 しかし、後半ベティが妊娠していなかったと発覚したあたりからかなり辛い話へ。もともと過剰とまでにヒステリックに描写されていたベティのショックからの驚きの行動の数々は、彼女の性格を考えるとどれもやりかねないものだ。片目をえぐるとは凄まじいが、彼女ならやりかねない。そんなベティだが、ジーグは本当に彼女のことを思っていたのだろう。「沈黙が耐えられない」という台詞から、今までのベティの行動や言動を見れば、ジーグも頭を悩ますこともあったかもしれないが、それでもその彼女がいなくなると辛いし、本当に思ってるんだなとその気持ちに感動。彼女を思うが故に、非常に辛いが殺さざるを得ないなんて・・・。その後、慣れ親しんだ部屋を写し、ジーグのピアノのメロディとベティのキーをたたく音が流れ、今までの生活を懐旧させられ感動する。全てにおいて、ベティが見えてきて、ジーグにとっての彼女の存在の大きさをしみじみ感じた。

 笑いあり、感動あり、で良かったのだが、モザイクが入る場面が多すぎるのが非常に気になるところでした。(笑)無修正版を見てみたい気もする。

(評価:★5)

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